2007年12月07日

美しい日本の樹木

村岡正明 編
masaaki muraoka 1948-

「日本絶賛語録」(10)

<美しい日本の樹木>
「いったい、日本の国では、どうしてこんなに
樹木が美しいのだろう。西洋では、ウメが咲いても、
サクラがほころびても、かくべつ、なんら目を驚かす
こともないのに、それが日本の国だと、まるで美の
奇蹟になる。
その美しさは、いかほど前にそのことを書物で読んだ
人でも、じっさいに目のあたりにそれを見たら、
あっと口がきけなくなるくらい、妖しく美しいので
ある。葉はいちまいも見えず、ただもう、一枚の
大きな薄い膜をかけたような花の霞なのだ。
ひょっとしたら、この神ながらの国では、樹木は
遠い世のむかしから、この国土によく培われ、人に
よくいたわり愛されてきたので、ついには樹木にも
魂がはいって、ちょうど愛された女が、男のためには
紅鉄漿(べにかね)つけて容(かたち)を美しく
よそおうように、樹木もまた心を入れて、礼ごころ
をあらわすものなのだろうか」
(ラフカディオ・ハーン小泉八雲1860-1904
「小泉八雲作品集5)


数学者の岡潔さんも、上記のようなことを言って
いる。つまり、日本の美しい風景は、日本人が
自然を長年愛し続けた結果、どこの国の風景より
も美しくなったのだ、と。

panse280
posted at 19:44

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