人類最後の大戦争

渡部昇一
shoichi watanabe 1930-

「かくて歴史は始まる」(8)

＜人類最後の大戦争＞
「太平洋のような広大な戦場で、大機動部隊を
用いた戦争を数年間も続けるというようなことは、
当時の日本とアメリカのみがなしえたことであった。
すでにイギリスの国力は往年のものではなかったし、
当時のソ連の海軍は三流のレベルであった。ドイツ
も海軍は問題にならなかった。
結局、当時の二大海軍国はアメリカと日本であった。
その二大国が正面からぶつかったのが、あの戦争
だったのだ。われわれは、いわば千秋楽で負けたほう
の横綱であった--この事実だけは、きちんと踏まえて
おく必要があると思う。」