2007年11月11日

「クリーンな政治」の恐るべき終着点

渡部昇一
shoichi watanabe 1930-

「かくて昭和史は蘇る」(9)

<「クリーンな政治」の恐るべき終着点>
「”クリーン”な軍人の代表として首相に就任にた
東条英機が、「汚職を追放する」と称して行ったの
は、「翼賛選挙」であった(昭和十七年)。
これは何かといえば、「政治献金をもらうから、汚職
が起こるのだ」ということで、推薦を受けた立候補者
には選挙資金を交付することになったのである。
じつは、その選挙資金はすべて陸軍の機密資金から、
ばらまかれたものであった。
・・・
民間からいっさいのカネをもらっていないのだから、
選挙民や財閥などの顔色を気にする必要はない。
その代わりに、「陸軍の言うことなら何でも聞く」
という議員が大量に誕生した。
・・・
これは日本ばかりの話ではない。あらゆる社会主義国
の選挙は、基本的に翼賛選挙と同じである。
たしかに、個人的な汚職はないかもしれない。だが、
そこでは議員と政府とが”癒着”するという、いって
みれば組織的な汚職が起こっているのである。
これが社会主義者や現代のマスコミが言う
”クリーンな政治”の終着点なのだということを
忘れてはならない。」

panse280
posted at 14:51

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