2007年06月15日

小林秀雄、文章作成術

小林秀雄1902-1983
hideo kobayashi

「人生の鍛錬」(7)
--小林秀雄の言葉--新潮社編


<小林秀雄、文章作成術>
「評論を書き始めて暫くした頃、僕は自分の文章
の平板な点、一本調子な点に不満を覚えて来た事
がある。
・・・・
仕方ないから、丁度切籠(きりこ)の硝子玉でも
作る気で、或る問題の一面を出来るだけはっきり
書いてごく短い一章を書くと、連絡なぞ全く考え
ずにまるで反対な面を切る気持ちで、反対な面か
ら眺めた処を又出来るだけはっきりした文章に
作り上げる。
こうした短章を幾つも作ってみた事がある。
だんだんやっているうちに、こういう諸短章を
原稿用紙に芸もなく二行開きで並べるだけで、
全体が切籠の硝子玉程度の文章にはなる様になった。
そんな事を暫くやっているうちに、玉を作るのに
先ず一面を磨き、次に反対の面を磨くという様な
事をしなくても、一と息でいろいろの面が繰り
のべられる様な文が書ける様になった。」
(「文章について」)

panse280
posted at 23:33

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