2007年03月24日

僕が戦後に軟化したわけ

吉本隆明1924-
takaaki yoshimoto

「真贋」(14)


<僕が戦後に軟化したわけ>
「戦後、日本がアメリカに占領されること
になると、マッカーサー元帥をはじめ、占
領軍の政治部門である民生局も東京にやっ
てきました。僕らは、戦争をあくまでもやれ
という考えでしたから、少しでもおかしなこ
とをしたら、ただではおかないぞという意気
込みで、彼らを見ていたのです。
文字どうり細大もらさず監視していると言っ
ていいくらい、アメリカ人のやり方に注目し
ていました。日々の新聞はぬかりなく読み、
アメリカ人が街に出たときの行動はどうだと
か、軍政局が発する声明とか、占領政策とか、
そういうのを非常に注意して観察していたの
です。
ところが、東京で見ている限りでは、彼らに
少しの欠点もないのです。
・・・
僕らがなぜ軟化したかと言うと、そういう
アメリカの態度を、もし自分が逆の立場だっ
たときに、はたしてとることができただろう
かという疑問があったからです。
・・・
だから、これはだめだ、やり直しだと思った
のです。」

注:敗戦時、吉本隆明、大学2年生

panse280
posted at 21:49

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