2006年12月14日

行人

吉本隆明1924-
takaaki yoshimoto

「夏目漱石を読む」(13)


<行人>(1)

--恋愛感情と結婚--
「結婚ということのなかには、かりに恋愛感情が多少とも
含まれているとしても、家族関係、姻戚関係、社会的地位
といった人工的な要素がどうしても介在してくる。
そうかんがえると、男女の関係というのは、結婚よりも
恋愛感情のほうが自然だし、そのほうがありやすいいんだ・・」


--弟と妻との関係--
「一郎はじぶんと妻お直とのあいだには自然な親和感の流露
がないようにおもえるのに、弟二郎とお直とのあいだには
自然な感情の流れがいつもあるようにおもえることが、
不思議な気がしているのです。」

--冷たい妻の言い分--
「もう少し兄さんに温かくしてやったほうがいいんじゃない
かと二郎はお直にいいますが、お直は、いや、じぶんは
お兄さん(夫)に不服をもった覚えもないし、不満を
いった覚えもない。じぶんなりにちゃんとやっているつもり
だ、ただ、じぶんはばかだから、兄さんを満足させることが
いろんな意味でできない。しかしそれはじぶんがばかだと
いうだけで、けっしてじぶんにそういう気持ちがあるわけ
ではないと、お直は説明します。」


--漱石の女性観--
「女性は二人の男からおなじ強さで引っ張られたら、どちら
かに傾くというように選択することはできないのではないか。
それが漱石の女性観の根底にあります。」

panse280
posted at 19:59

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