2006年12月13日

一人の女性が二人の男から好かれている

吉本隆明1924-
takaaki yoshimoto

「夏目漱石を読む」(12)


<彼岸過迄>(2)
<須永の話>
「ここではもう推理小説性というか、漱石がおもしろ
がっているところは全部なくなっています。
大まじめで漱石の本質的なテーマが作品になかに
全面的にあらわれてきてしまいます。
・・・
もし、じぶんが一人の女性を好きになって、おなじように
その女性を好きになった男がいたとする。
一人の女性が二人の男から好かれている場面になったとする。
そしたら、じぶんはすぐに圏外に出ていく。
じぶんだったら疑いなくそうする、と須永はいいます。
じぶんにはそういう場合、一人の女性をめぐって競争する
心はぜんぜん起こらない。
競争心がないなら、ジェラシーを感じるのはおかしいじゃ
ないかといわれそうだけど、ジェラシーを感じるのは真実だ。
しかし、そうなったら、じぶんははっきりと圏外に飛びだして、
それを残念だとも悔しいともおもわない。
それがじぶんの考え方だ、・・・」


panse280
posted at 20:54

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