2006年11月28日

剣士と画家

鈴木大拙1870-1966
daietsu suzuki

「続 禅と日本文化」(14)完「絶版」


<剣士と画家>
「真に禅の真理を掴んでいる人は、自己の身心に制約
されつつも、その個々の人生の道を、不断に変化する
環境に応じて、発展させてゆくであろう。
戦士の手のある刀剣は、画家の手にある絵筆と同じく、
彼の身体の延長であって、剣士はそれを、あたかも
画家が彼のキャンパスに筆や色を働かせるように、敵の
刀に対って働かせるのである。
画家が純粋の創造的衝動によって動かされたのでない時
には、その作品は失敗で、一流の天才の一人と考えられぬ
のである。彼の生命は終わる。
剣士の場合には、彼の技が精神の自由なはたらきに従う
ほどに完璧でない時は、言葉を換えて云えば、彼の個人
的動機が相対的論理から生まれ、その結果として世間並
の我意に左右される時には、彼はその生命を失う。
剣士がその肉体的存在を失うは、画家が画家としての
名声を失うより由々しき大事と考えられるかも知れぬが、
それは皮相な相違であるに過ぎぬ。」

panse280
posted at 21:06

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