2006年11月22日

良寛

鈴木大拙1870-1966
daietsu suzuki

「続 禅と日本文化」(9)「絶版」


<良寛>
「風の方向を知るには、野草の一葉を見れば十分で
ある。われらは一良寛を知る時、日本人の心にある
数十万の良寛を知るのである。」


良寛は曹洞宗の禅僧であり、優れた漢詩人、歌人、
書家でもあった。彼は周りの人からやたらに好かれた。

彼は貧乏だった。

しかし、その彼の家に泥棒が入った。
盗るものが何もなかった泥棒を見かねて着ている着物
を与えた。

家の中に筍(たけのこ)が床を破って伸びてきた。
良寛は竹のために屋根にアナを空けようとして蝋燭
(ろうそく)で屋根を焼き始めた。
しかし失敗して、家も竹も全て焼失した。

誠に愚の骨頂なり。

しかし、あとさきを何も考えない純粋な行動は
胸を強く打つのである。

panse280
posted at 19:55

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