2006年11月11日

アラヤシキ

鈴木大拙1870-1966
daietsu suzuki

「禅と日本文化」(30)


<アラヤシキ>
人間の意識には、日常の意識、記憶の意識、そして
普通心理学者によって定義される無意識がある。
「しかしこの無意識層は最後の精神層ではなくて、
さらに真に深いところにわれわれの人格の地盤と
なるべつの層がある。」
これが「集合意識」すなわち阿頼耶識(アラヤシキ)
である。
「しかし、芸術的または宗教的生活の秘密を把握する
ために実在そのものに到達せんと思うときには、
「宇宙的無意識」となすところのものを持たねばなら
ぬ。
「宇宙的無意識」は創造性の原理、神の作業場であり、
そこに宇宙の原動力が蔵せられる。
あらゆる芸術品、宗教人の生活と向上心、哲学者を
動かす研究心、これらいっさいが、すべての創造能力
を抱く「宇宙的無意識」の源泉からくるのである。」


「「宇宙的無意識」は価値の宝庫だ。すでに創られて
いるか、または、創られることになっている価値物の
一切はここに貯えられる。その深みへくぐって行って
自分の体験の真珠を持ってくるには芸術家たることを
要する。」

panse280
posted at 15:46

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