2006年10月24日
風流
鈴木大拙1870-1966
daietsu suzuki
「禅と日本文化」(12)
<風流>
戦に忙殺される最中(さなか)、信玄も
謙信も花を自然を愛(め)でた。
「戦の真最中に、信玄や謙信が示した、
かかる利害を超越した「自然」の享楽は
「風流」と呼ばれている。
この風流なきものは、日本では最も教養の
ないもののなかに入れられている。
この感情は単に美的のみならず宗教的な意義
をもっている。
諸芸に通じた教養ある日本人の間に、臨終に
際して詩歌をかく習慣を創始したのも、おそ
らくは同じ心的態度にもとづく。
・・・
日本人は自分たちが最も激しい興奮の状態に
置かれることがあっても、そこから自己を
引き離す一瞬の余裕を見つけうるように
教えられ、また、鍛錬されてきた。」
daietsu suzuki
「禅と日本文化」(12)
<風流>
戦に忙殺される最中(さなか)、信玄も
謙信も花を自然を愛(め)でた。
「戦の真最中に、信玄や謙信が示した、
かかる利害を超越した「自然」の享楽は
「風流」と呼ばれている。
この風流なきものは、日本では最も教養の
ないもののなかに入れられている。
この感情は単に美的のみならず宗教的な意義
をもっている。
諸芸に通じた教養ある日本人の間に、臨終に
際して詩歌をかく習慣を創始したのも、おそ
らくは同じ心的態度にもとづく。
・・・
日本人は自分たちが最も激しい興奮の状態に
置かれることがあっても、そこから自己を
引き離す一瞬の余裕を見つけうるように
教えられ、また、鍛錬されてきた。」