2006年06月24日

カール・マルクス

吉本隆明1924-
takaaki yoshimoto

「カール・マルクス」
(1964)

ジェイムズ・ジョイスの「フィネガンズ・ウェイク」
よりも難解な「資本論」を書いた、マルクス。

「これほど深いマルクス論に、私は
出会ったことがない。」(中沢新一)


「人々は、いまさらマルクスでも
あるまいなどと云うべきではない。
・・・・
もし、わたしが新しい意味をマルクスの思想に
発見しえなかったら、かれらはわたしを嗤うが
よろしいとおもう。」

「彼(マルクス)は、二十代の終り頃に、独自の
<自然>哲学のうえに、市民社会の構造をつらぬく
法則と、その社会から疎外された共同性としての
国家と、国家を政治的に機能させる<法>の構造と、
<法>がよってきたる源泉である<宗教>とを、
いいかえれば、具体的な現実社会と観念がうみだす
社会とをふくめた全総体をつなぐ体系的な思想を
つくりあげていた。」

「わたしは、<マルクス>主義者と自称している
じっさいは1910年代以後に発生した、マルクス思想
のロシア的形態の信奉者のいうことを一貫して信用
してこなかった。」

「マルクスの<自然>哲学の本質にある<疎外>
または<自己疎外>の概念は、レーニンも
スターリンも、毛沢東もしらなかった。
しかし、それは読んだことがなかったという明瞭
な理由をもっている。」

<マルクスの哲学>
「マルクスがギリシャ<自然>哲学にこったのは、
なみなみならぬ<自然>への嗜好を語っている。
・・・
かれはここで一見するとドイツ思想界の尖端に背を
むけながら、黙々とみずからの根拠に孔をうがち、
ふかく潜行していたのである。」

マルクスの「学位論文で重要なことは、マルクスが
ギリシャ<自然>哲学に着目したことと、エピクロス
が、デモクリトスのたんなる模倣者であるという
おおくのエピクロス評価のなかから、エピクロス哲学
の独自性を取り出して評価していることである。」


カール・マルクス


panse280
posted at 08:44

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