2006年05月13日

浮世絵は真の日本芸術ではない

岡倉天心1863-1913
tenshin okakura

「東洋の理想」(32)


<後期徳川時代(1700-1850)>

<無能な御用絵師生産時代>
「徳川氏は、統一強化と規律保持に熱心なあまり、
芸術と生活から発する生命の閃光を圧殺してしまった。」

<ゴッホには気の毒だが、浮世絵は真の日本芸術ではない>
「浮世絵は、色彩と描画においては熟練の域に達したが、
日本芸術の基礎である理想性を欠いている。・・・・
印籠、根付、刀の鍔、およびこの時代のたのしい漆器類も、
おもちゃであって、そういうものとして、そこにのみおよそ
真の芸術が存在するところの、国民的熱誠の具現ではけっして
なかった。
偉大な芸術とは、その前でわれわれが死にたいと願うところ
のものである。
しかるに徳川時代後期の芸術は、人にただ空想の喜びの中に
住むことを許すだけのものであった。
西洋において、日本の芸術がまだまじめに考察されていない
のは、大名の蒐集や社寺の宝物の中にかくされている傑作の
壮麗さではく、この時代の作品の小綺麗さがはじめに注目
を惹いたからである。」

panse280
posted at 09:34

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