2006年04月27日

密教

岡倉天心1863-1913
tenshin okakura

「東洋の理想」(18)

<密教>
「あらゆるものの中に、没個的普遍者たる毘廬遮那
(びるしゃな)が含まれており、それの至上の実現
こそが信者のたずね求むべきものとされたのである。
罪業も、この超絶的一体性の見地よりすれば、自己
犠牲と同じく神聖なものとなり、最下の悪魔も最高の
神と同じように自然に、万神殿の中心となるのである。」

<密教的建築>
「寺院を一つ建てるにしても、阿闍梨(あじゃり)、
すなわち師たる者が、宇宙的意匠をもって地取りを
するのであった。そしてその中では、あらゆる石は
それぞれその所を得、そしてその輪郭内に見出される
塵芥一つといえども、彼自身の修行の不完全や欠点を
あらわすものとされたのである。」


<万神殿>
1 不動:力、すなわち知識
2 宝生:富、すなわち創造的な力
3 阿弥陀:慈悲、すなわち人間に天降る神の知恵
4 釈迦:いとなみ、あるいは業(カルマ)いいかえれば
     地上の現実の生活におけるはじめの三つのもの
     の実現、すなわち釈迦牟尼、をあらわす。

panse280
posted at 20:06

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