熊野地方のお話
岡倉天心1863-1913
tenshin okakura
「東洋の理想」(14)
老荘といえば、道教である。
道教といえば、仙人である。
<熊野地方のお話>
「秦の皇帝たちは、東海に不老不死の薬を求める
探検隊を派遣し、隊員たちは、素手で帰るのを恐れ、
日本に定住したと信じられており、その地では、
今日にいたるまで、一族全体がかれらの後裔であると
称している(和歌山県熊野地方への言及)」
「漢の皇帝たちもまた、同様の追求に耽らなくは
なかった。そして、幾度となく、かれらの神々を
祀る神殿を建てたが、そのたびにかならず儒者の
抗議にあって取り壊された。」