宝石に飾られた牛になりたい若者たち
岡倉天心1863-1913
tenshin okakura
「東洋の理想」(10)
<宝石に飾られた牛になりたい若者たち>
「荘子は官職に就くように求められたが、そのとき、
飾り立てられた犠牲の牡牛を指さして、「この牛は
宝石で飾り立てられてはいるけれども、斧(おの)が
彼の上に置かれているとき、幸福を感ずると思いますか」
といったと伝えられている。」
老荘の思想は、儒教的社会主義の根底を揺さぶった。
孟子の生涯はそれとの戦いに捧げられたのである。
補記:最近の若者就職事情にみる「大企業」指向は、
荘子に言わせれば、哀れな牛なのだろう。