2006年03月25日

美術鑑賞法

岡倉天心(覚三)1863-1913
tenshin okakura

「茶の本」(16)


<美術鑑賞法>
「美術家は通信を伝える道を心得ていなければ
ならないように、鑑賞者は通信を受けるに適当な
態度を養わなければならない。
宗匠小堀遠州は、みずから大名でありながら、
次のような忘れがたい言葉を残している。
「偉大な絵画に接するには、王侯に接するごとく
せよ。」
・・・
宋のある有名な批評家が、非常におもしろい自白
をしている。
「若いころには、おのが好む絵を描く名人を称揚し
たが、鑑賞力の熟するに従って、おのが好みに適する
ように、名人たちが選んだ絵を好むおのれを称した。」
現今、名人の気分を骨を折って研究する者が実に
少ないのは、誠に嘆かわしいことである。」

panse280
posted at 08:09

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字