2006年03月24日

床の間の真ん中に花瓶を置いてはいけない

岡倉天心(覚三)1863-1913
tenshin okakura

「茶の本」(15)

<床の間の真ん中に花瓶を置いてはいけない>
「真の美はただ「不完全」を心の中に完成する人に
よってのみ見いだされる。
・・・
意匠の均等は想像の清新を全く破壊するものと考え
られていた。
・・・
室の装飾に用いる種々な物は色彩意匠の重複しない
ように選ばなければならぬ。生花があれば草木の絵は
許されぬ。丸い釜を用いれば水差しは角張っていなけ
ればならぬ。
黒釉薬の茶碗は黒塗りの茶入れとともに用いてはならぬ。
香炉や花瓶を床の間にすえるにも、その場所を二等分し
てはならないから、ちょうどその真ん中に置かぬよう
注意せねばならぬ。
少しでも室内の単調の気味を破るために、床の間の
柱は他の柱とは異なった材木を用いねばならぬ。」

panse280
posted at 22:36

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