2006年03月22日

露地作りの極意

岡倉天心(覚三)1863-1913
tenshin okakura

「茶の本」(13)

<露地作りの極意>

見渡せば花ももみじもなかりけり
浦のとまやの秋の夕暮れ

<茶室に入る>
「まず床の間の絵または生花に敬意を表する。
主人は、客が皆着席して部屋が静まりきり、茶釜
にたぎる湯の音を除いては、何一つ静けさを破る
ものもないようになって、始めてはいってくる。
茶釜は美しい音をたてて鳴る。
特殊のメロディーを出すように茶釜の底に鉄片が
並べてあるから。
これを聞けば、雲に包まれた滝の響きか岩に砕くる
遠海の音か竹林を払う雨風か、それともどこか遠き
丘の上の松籟(しょうらい)かとも思われる。
・・・
客はみずからも注意して目立たぬ着物を選んでいる。
古めかしい和らかさがすべての物に行き渡っている。
ただ清浄無垢な白い新しい茶筅と麻ふきんが著しい
対比をなしているのを除いては、新しく得られたらしい
物はすべて厳禁せられている。
茶室や茶道具がいかに色あせて見えてもすべての物
が全く清潔である。
部屋の最も暗いすみにさえ塵(ちり)一本も見られない。
もしあるようならばその主人は茶人とはいわれないの
である。
茶人に第一必要な条件の一は掃き、ふき清め、洗う
ことに関する知識である、払い清めるには術を要する
から。


panse280
posted at 22:49

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