地の巻
宮本武蔵1584-1645
musashi miyamoto
「五輪書」(2)
<地の巻>
我が兵法を学ばんと思う人は、
道をおこなう法あり、
第一によこしまになき事をおもう所、
第二に道の鍛錬する所、
第三に諸芸にさわる所、
第四に諸職に道を知る事、
第五に物毎の損徳をわきまえる事、
第六に諸事目利きを仕覚る事、
第七に目に見えぬをさとってしる事、
第八にわずかな事にも気をつける事、
第九に役にたたぬ事をせざる事、
いづれの道においても、人に負けざる
所を知りて、身をたすけ、名を助ける所、
これ兵法の道なり、