2006年02月08日

宮本武蔵による五巻解説

宮本武蔵1584-1645
musashi miyamoto

「五輪書」(1)

<宮本武蔵による五巻解説>

<地の巻>
兵法の道の大躰、我一流の見立、剣術一通に
しては、まことの道を得難し、大いなる所より
ちいさき所を知り、浅きより深きに至る、直なる
道の地形を引ならすによって、初を地の巻と名付也。

<水の巻>
水を本として心を水になる也、水は方円のうつわも
のに随ひ、一てきと也、滄海(そうかい)となる、
水に碧潭の色あり、きよき所をもちひて、一流の
ことを此巻に書き顕す也、
剣術一通の理、さだかに見分け、一人の敵に自由に
勝つ時は、世界の人に皆勝つ所なり、
人に勝つと云う心は千万の敵にも同意なり、
将たるものの兵法、ちいさきを大きになす事、
尺のかたをもって大仏を立つるに同じ、かようの義
こまやかには書きがたし、一をもって万を知る事
兵法の利なり、一流の事此の水の巻に書きしるす也、

<火の巻>
このまきに戦ひの事を書きしるす也、けやけき心なる
によって、合戦の事を書也、合戦の道、一人と一人と
の戦ひも、万と万との戦いも同じなり、心を大きなる
事になし、心をちいさくなして、よく吟味してみるべし
、大きなる所は見えやすし、ちいさき所は見えがたし、
その子細大人数の事は即座にもとをりがたし、
一人の事は心一つにてかわる事はやきによって、日々
に手馴れ、常のごとくおもひ、心のかはらぬ所兵法の
肝要なり、しかるによって、戦勝負の所を火の巻に
書き顕す也、

<風の巻>
此の巻を風の巻としるす事、我一流の事にはあらず、
世の中の兵法、その流々の事を書のする所也、
風と云うにおいては、むかしの風、今の風、その家々
の風などとあれば、世間の兵法、その流々のしわざを、
さだかに書き顕す、これ風なり、他の事をよく知ずし
ては、自のわきまへ成がたし、道々事々をおこなふに、
外道という心あり、日々にその道を勤ると云とも、
心のそむけば、その身はよき道とおもふとも、直なる
所よりみれば、実の道にはあらず、実の道を極めざれば
、すこし心のゆがみに付て、後には大きにゆがむもの
なり、吟味すべし、他の兵法、剣術ばかりと世に思ふ
事もっとも也、我兵法の利わざにおいても、格別の義也、
世間の兵法をしらしめんために、風の巻として、他流の
事を書き顕す也、

<空の巻>
空と云出すよりしては、何をか奥と云、何をか口と
いはん、道理を得ては道理をはなれ、兵法の道におのれ
自由ありて、おのれと奇特を得、時にあいては拍子を
知り、おのづから打、おのづからあたる、是みな空の
道也、おのれと実の道に入事を、空の巻にして書き
とどむるもの也、



panse280
posted at 20:14

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