2005年11月13日

石川五右衛門の極意

荘子bc369-bc286
soushi

「荘子」(60)

<石川五右衛門の極意>
列御寇(れつぎょこう)が伯昏無人(はくこんむじん)の
ために弓を射てみせた。その妙技は比類がなかった。
しかし、伯昏無人はそれを見て、言った。
「これは弓を射ることを意識した射であって、弓を射るこ
とを意識しない無心の射ではない。」と。
伯昏無人は列御寇を連れて百仭もの深い淵を見下ろす突き
立った岩の上に案内して、弓を射てみよ、と促した。
列御寇は岩の上に冷や汗びっしょりではいつくばり、射る
ことは出来なかった。
伯昏無人はいった、「そもそも至人(最高の人)というも
のは、上は青々した大空をうかがい、下は地底の黄泉にも
ぐりこみ、四方八方、果ての果てまで自由にかけめぐって、
それで心になんの動揺もないものだ。」

panse280
posted at 13:10

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