2004年07月20日

美しい日本の生活

岡倉天心1862-1913
tenshin okakura

「茶の本」

わずか3〜40年前まで、日本社会、
家庭は簡素な美と相互愛に満ちて
いた。今から思えば、”茶の精神”
が生きていた。
”不完全なもの”を崇拝する精神
が生きていた。静かではあるが、
活気に満ちていた。
現在は、活気はないが騒音に満ちて
いる。

茶の本
茶の本―英文収録

「茶道は日常生活の俗事の中に存する
美しきものを崇拝することに基づく
一種の儀式であって、
純粋と調和、相互愛の神秘、社会秩序
のローマン主義を諄々と教えるもので
ある。

茶道の要義は「不完全なもの」を崇拝
するにある。
いわゆる人生というこの不可解なもの
のうちに、何か可能なものを成就しよ
うとするやさしい企てであるから。」

「禅は梵語の禅那からでた名であって
その意味は静慮である。精進静慮する
ことによって、自性了解の極致に達する
ことができると禅は主張する。」

「茶と禅との関係は世間周知のことで
ある。・・・
道教は審美的理想の基礎を与え禅は
これを実際的なものにした。」

「芸術のいかなる方面にも、茶の宗匠
がその天才の跡を残していないところ
はない。・・・光琳派はすべて、茶道
の表現である。」

「茶の宗匠が芸術界に及ぼした影響は
偉大なものではあったが、彼らが処世
上に及ぼした影響の大なるに比すれば、
ほとんど取るに足らないものである。
上流社会の慣例におけるのみならず、
家庭の些事の整理に至るまで、われわれ
は茶の宗匠の存在を感ずるのである。
配膳法はもとより、美味の膳部の多く
は彼らの創案したものである。
彼らは落ち着いた色の衣服をのみ着用
せよと教えた。また生花に接する正しい
精神を教えてくれた。
彼らは、人間は生来簡素を愛するもの
であると強調して、人情の美しさを示し
てくれた。実際、彼らの教えによって
茶は国民の生活の中に入ったのである」

「美を友として世を送った人のみが
麗しい往生をすることができる」


panse280
posted at 10:15

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