2005年07月17日

千日回峰行は誰でも出来る?

<比叡山の千日回峰行>(不動明王と一体となるための修行)

山田鷹夫「不食」「断眠」を読むと、千日回峰行を成し遂げた
人が実に、平凡な人に見えてくるから不思議だ。

<歴史>
839年、天台宗第三世座主、慈覚大師円仁が遣唐使として唐に
渡り、山西省五台山で修行、当時行われていた五台山五峰を
巡拝する行を、帰国後弟子の相応和尚に伝授。
一千日を7年間で回峰巡拝する修行法の基礎が創られたと伝え
られる。

現在の千日回峰行は、「12年籠山」「回峰一千日」「堂入り」
の全てを満行しなければならない。

<身支度>
千日回峰行者は、未開の蓮の葉を象った桧笠をいただき、白装
束に草鞋ばき、死出紐と宝剣を腰に、もし行半ばで挫折すれば
自ら生命を絶つ覚悟で行う。

<行>
1年目から3年目は比叡山中255箇所を巡拝する行程約40キロを
休まず各百日間。

4年目と5年目はそれぞれ連続2百日、計7百日の山歩き。

7百日終了の後9日間不眠・不臥・断食・断水の「堂入り」の行。

6年目は京都市内赤山禅院往復が加わる一日約60キロの行程を百日。

7年目は京都市内寺社を巡拝往復する一日84キロの「京都大廻り」、
後半百日を山歩き約30キロ。

7年間で合計一千日、歩く距離は約4万キロ、地球を一周する距離になる。

お経以外は無言、他者との言葉を断ち、行が一日途絶えると、
最初からやり直し、千日で大行満となり、達成した者が阿闍梨
(あじゃり)の位を得る。

延暦寺の記録に残る千日回峰行者は、平成15年9月満行の酒井大阿
闍梨の弟子藤波源信師迄47人、その内二千日は僅か3人である。


panse280
posted at 19:54

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