2004年06月21日

人の与える印象について

ショーペンハウエル1788-1860
Arthur Schopenhauer

「人の与える印象について」
(幸福について)

<虚栄心と誇りの区別>

「虚栄心と誇りとの区別は、誇りが何らかの
点で自分が圧倒的な価値をもつことに対する
すでに不動のものとなった確信であるに反して、
虚栄心がこうした確信を他人の心中に呼び起して
みたいという願いであり、そのうえ大抵の場合、
他人の心中にこの確信を呼び起せばその結果
としてみずからもこの他人の確信を自己の確信
とすることができはすまいかという心中ひそかな
期待が伴っている点に基づくものである。
だから誇りは自分自身に対する内発的な、
したがって直接的な評価であるに反して、
虚栄心はこのような評価を外部から、したがって
間接的に得ようとする努力である。
それゆえ虚栄心は人を饒舌にし、誇りは
寡黙にする。」

「誇りのなかでも最も安っぽいのは民族的な
誇りである。
なぜかと言うに、民族的な誇りのこびりついた
人間には誇るに足る個人としての特性が不足
しているのだということが、問わず語りに暴露
されているからである。」

<暴行への対処>

「ソクラテスはしきりに論争をしたために、暴行を
受けることがたびたびあったが、平然としてそれら
を忍んでいた。」

ソクラテスは妻のクサンチッペにバケツの水を
かけられた時、友人に、「何故、黙っているのか?」
という問いつめに、こう答えた。
「相手が人間だったら、私だって怒るよ」

「カトーが顔を殴られたとき、カトーはいきり立ちは
しなかった。侮辱に仕返しもしなかった。侮辱を
赦しもしなかった。彼はただ「侮辱などは全然
なかったよ」と言い切るのであった。」
(セネカ「賢者の毅然たる不動について」)

panse280
posted at 10:55

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