2015年05月31日

三毛子病気

「吾輩は猫である」(13)

夏目漱石 1867-1916
sohseki natsume

2009.9.15 第10刷発行(新潮文庫)
--漱石の文章を味わってみる--

<三毛子病気>
三毛子の家の下女、主人に語る。
「「悪い友達?」「ええあの表通りの教師のところ
に居る薄ぎたない雄猫で御座いますよ」
「教師と云うのは、あの毎朝無作法な声を出す人
かえ」「ええ顔を洗うたんびに鵞鳥(がちょう)が
絞め殺される様な声を出す人で御座んす」
・・
吾輩の主人は毎朝風呂場で含嗽(うがい)をやる時
、楊枝で喉をつっ突いて妙な声を無遠慮に出す癖
がある。
・・
「あんな主人を持っている猫だから、どうせ野良猫
さ、今度来たら少し叩いて御遣り」
・・
こいつは滅多に近か寄れないと三毛子にはとうとう
逢わずに帰った。」

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