2014年09月29日

則天去私

「拝啓漱石先生」(4)
大岡信 1931-
makoto oooka

1999.6.1 初版第3刷発行(世界文化社)

<則天去私>
「漸く自分もこの頃一つのそういった境地に出た。
「則天去私」と自分ではよんでいるのだが、他の
人がもっと外の言葉で現してもいるだろう。
つまり普通自分自分という所謂小我の私を去って、
もっと大きないわば普遍的な大我の命ずるままに
自分をまかせるといったような事なんだが、そう
言葉で言ってしまったんでは尽くせない気がする。
・・
今度の「明暗」なんぞはそういう態度で書いている
のだが、自分は近いうちにこういう態度でもって、
新しい本当の文学論を大学あたりで講じてみたい。」
(「漱石先生」松岡譲氏筆記)

「私(白鳥)は「明暗」まで読んで、はじめて、
漱石も女がわかるようになったと思った。老いたる
彼は、もう「草枕」にあるような詩的女性を朦朧と
幻想し得られなくなったのであろう。」
(「夏目漱石」正宗白鳥)

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