2013年06月09日

ショーペンハウエル1788-1860 72歳

「人間臨終図巻(2)」(123)

山田風太郎 1922-2001
fuutaro yamada

2001.03.15 初版(徳間文庫)

<ショーペンハウエル1788-1860 72歳>
カントを尊敬したことが影響しているかどうか
は解らないが、ショーペンハウエルはカントの
ように規則正しい生活を、その死まで送った。

1860年に亡くなるのだが、その年の4月に心臓の
異常な動悸を感じるまでは元気そのものだった。
8月には狭心症の発作に襲われたがすぐに平常に
戻った。

医者は薬を置いていったが、薬というもをあまり
信用していなかった彼は、それを服用しなかった。

9月には、肺炎、心臓発作があったが、身体は、
病気はおろか老年のしるしさえ見えなかった。

9月21日朝、起床後、いつものように冷水摩擦を
やり、コーヒーを飲んだ。家政婦は窓を開けて
朝の空気を入れ換えた。そこに往診の医者が訪れ
た。家政婦が医者を案内して戻ってくると、
ショーペンハウエルはソファによりかかったまま
死んでいた。

死の数秒前まで、老いの兆しも見えず、いつもの
ようにコーヒーを飲み、眠るように死んでいった。

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