2011年10月11日

楽しい書物よ

「この人を見よ」(4)
--発狂前年の最後の著作--
ニーチェ 1844-1900
Friedrich Wilhelm Nietzsche
西尾幹二訳
1998.8.20 第10刷発行(新潮文庫)

<楽しい書物よ>
「私(ニーチェ)はパスカルを読むのでは
なく、愛している。パスカルはキリスト教の
犠牲として最も教訓に富む事例である。・・・
私はモンテーニュの洒落っ気たっぷりのいたずら
心を受け継いでいるのかもしれない。・・・
私が特別の愛好している生粋のラテン人、ギィ・
ド・モーパッサン。・・・スタンダールは私の
生涯における最も美しい偶然の一つだといえる。」

「抒情詩人というものの最高の概念を私(ニーチェ)
に与えてくれたのは、ハインリヒ・ハイネである。
・・・ハイネは神域にまで達した悪意というものを
持っていた。この手の悪意を抜きにしては、私は
完璧ということを考えることが出来ない。
・・・
私はシェイクスピア以上に胸を引き裂く悲痛な
読み物を知らない。ひとりの人間がこれほどまでに
道化であることを必要としたからには、よほどの
苦痛を重ねたに違いない!世の中の人はハムレット
が分かっているのだろうか?彼を狂気にしたのは、
疑惑ではなく、むしろ確信なのだ。・・だが、
それをそうと感じるためには、人は深くなければ
ならず、深淵でなければならず、哲学者でなければ
ならない。」

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