2011年08月11日

漱石は読むに耐えないか?

「パスカル「冥想録」に学ぶ行き方の研究」(8)

渡部昇一 1930-
shouichi watanabe
2006.4.6 第1刷発行(致知出版社)

<漱石は読むに耐えないか?>
39歳で死んだパスカルの深さに感嘆しながら渡部
さんは、「漱石の小説の多くは、年をとると読む
に耐えない。漱石は偉いというが、実際は五十歳
ぐらいで死んでいる。若かったのである。」

漱石の弟子たちは当時、漱石先生の一番の傑作は
「道草」であると騒いでいた。
「道草」とは、「その主人公は、保証人になった
がためにひどい目に遭った人を知っているものだから、
貸すべきかどうか悩みに悩む。かいつまんでいえば、
それだけの話である。・・・私(渡部)は五十か
六十のころにそれを読み返したとき、なんと馬鹿
くさい悩みだろう、と思った。」

私はこの文章を読んで、かなり唖然とした。
つまり、これは、セザンヌのリンゴの絵をみて、
「これはリンゴを描いているだけだ。なんと馬鹿
くさい。」といっているようなものなのだ。

ドナルド・キーン氏が漱石の「明暗」に対して、
「これは、最初から最後まで、私を退屈させる作品
である。腹立たしく面白くない筋があるのみならず、
その文体も重苦しいものである」と言った時、やはり
外国人には難しいのかな、と思ったものだが、渡部
さんは日本人である。しかも1930年生まれで、漱石
を普通に読める世代である。
頭脳明晰博学な渡部さんでも、ときどき、ドキッと
する「穴」がある。

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