2011年07月11日

明治時代の文学とは

「決定版 夏目漱石」(17)

江藤淳 1932-1999
jun etou

2006.9.20 第12刷発行(新潮文庫)
(この本の内容は1955-1974に書かれたもの)

<明治時代の文学とは>
「明治の作家たちは、その生活と思想のほとんど
あらゆる位相を、圧倒的な西欧文明の影響下に
曝(さら)した最初の日本の知識人であったにも
かかわらず、というよりむしろその故に、つねに
日本人としての文化的自覚を失わず、一種強烈な
使命感によって生きていた人々であった。
・・・
しかし、夏目漱石、森鴎外という明治の生んだ
二人の巨匠の没後、このような使命感や責任感は
ついに次代の作家に継承されずに終わった。」

<自己抑制の倫理>
日露戦争勝利は日本が西欧に肩を並べた、と思わせた。
作家達の問題はもはや国家ではなく、人類であり、
芸術であった(「白樺派」)、その普遍主義的な
流れは「マルクシズム」を呼び込んだ。
大正・昭和期の作家たちは、自己は無制限に肯定
され、拡大されるべきものと信じた。自己抑制の
倫理は失われた。

自己抑制の倫理がなければ、社会は荒れる。
自己抑制の倫理というものを文学的に完成させた
作家いる。それが夏目漱石だ。

補記:かって司馬遼太郎は「若者よ、明治文学を
読め」と言った。明治文学に学ぶもの、それは
自己抑制の倫理である。

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