道を致す者は心を忘るー無心
荘子bc369-bc286
soushi
「荘子」(77)
<道を致す者は心を忘るー無心>
孔子の門人、曾子(そうし)は衛国に住んでいた。
着ている綿入れは表布がすりきれ、顔はむくみただれ、
手足はまめやたこができ、三日も続けて火を使った
食事をせず、十年ものあいだ着物の新調はしなかった。
冠をかぶりなおすとそのあご紐が切れ、襟をひきあわ
せると着物が破れ、肘があらわれ、履き物をはくとそ
のかかとが引き裂けた。
しかしそんなありさまでも、悠々と商頌(しょうしょう)
の詩を歌うと、その声は天地いっぱいにひろがり、まるで
金石の楽器を奏でているかのようであった。
天子でさえ意のままに彼を臣下とすることはできず、諸侯
でさえ意のままに彼を友とすることができない。
soushi
「荘子」(77)
<道を致す者は心を忘るー無心>
孔子の門人、曾子(そうし)は衛国に住んでいた。
着ている綿入れは表布がすりきれ、顔はむくみただれ、
手足はまめやたこができ、三日も続けて火を使った
食事をせず、十年ものあいだ着物の新調はしなかった。
冠をかぶりなおすとそのあご紐が切れ、襟をひきあわ
せると着物が破れ、肘があらわれ、履き物をはくとそ
のかかとが引き裂けた。
しかしそんなありさまでも、悠々と商頌(しょうしょう)
の詩を歌うと、その声は天地いっぱいにひろがり、まるで
金石の楽器を奏でているかのようであった。
天子でさえ意のままに彼を臣下とすることはできず、諸侯
でさえ意のままに彼を友とすることができない。