2005年04月02日

不徳の役目

モンテーニュ1533-1592
Michel Eyquem de Montaigne

「エセー」(36)


<不徳の役目>
「吹きすさぶ嵐に大海が荒れるとき、陸の上から他人の
苦労を眺めるのは楽しいことだ。」(ルクレティウス)

「もしも、これら(上記)の性質の萌芽を人間から取り
除くならば、人間の根本的な性状をも破壊することにな
ろう。同様に、あらゆる国家にも、必要な職務ではある
が、下賤なばかりでなく不徳な職業がある。諸々の不徳
はそこに所を得て、われわれの社会を縫い合わせる役目
を果たしている。
ちょうど毒がわれわれの健康の維持に役立つようなもの
である。」

しかし、モンテーニュは、こうしたこと(不徳)は神経
の太い人にまかせなさい、といっている。
「われわれ弱虫はもっと容易な危険の少ない役目を引き
受けよう」


panse280
posted at 18:42

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字