2005年03月23日

愚かさの増幅

モンテーニュ1533-1592
Michel Eyquem de Montaigne

「エセー」(26)

<真実に不忠な人は嘘にも不忠である>
「いったい、始終自分をごまかし、偽ることから、
人々はいかなる利益を期待するのだろうか。
結局、真実を言ったときにも人から本気にされなく
なるというだけではないだろうか。」

「アポロニオスは、嘘をつくのは奴隷のすること、
真実を言うのは自由人のすることと言った。」

「アリスティッポスは、哲学から得た第一の利益は、
誰にでも自由に、率直に話すことである、と言った。」

「心が疑いの中にあるときは、わずかの重みで、こっち
にも、あっちにも傾く。」
(テレンティウス「アンドリア」)

<愚かさの増幅>
「彫刻家は、立派な材料を手にして、へたくそに、彫刻
の規則に反していじくり廻せば、つまらない材料を使う
場合よりもいっそう愚かさをあらわすし、われわれも、
石膏における欠点よりも金の彫像における欠点を見て腹
を立てるようなものである。」


panse280
posted at 20:59

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