2005年01月20日

のど元過ぎれば、熱さを忘れる

木原武一1941-
buichi kihara

「人生最後の時間」

文学界が最も華やかな時代、ドストエフスキーはその
中心にいた。

<死刑囚の体験>
ドストエフスキー,28才、社会主義サークルに在籍して
いたとき、逮捕され銃殺刑を宣告された。
・・・ドストエフスキーの銃殺の番がまわってきた。


人生最後の時間―よく生ききった人たちの物語

なかなか発砲しない、そのとき、太鼓が鳴り響き、死刑
執行人が三人を柱からはずし、法務官が皇帝の勅書を
読み上げた。「罪人達は、法の裁きのもとに死刑の判決
が下ったが、皇帝陛下の特別のご配慮に基づき恩赦とな
り・・・」
ドストエフスキーは、その後十年間シベリアですごすこ
とになった。

ドストエフスキーは「白痴」で死の瞬間を語る・・・

「もし死なないとしたらどうだろう!もし命を取りとめ
たらどうだろう!それはなんという無限だろう!しかも
その無限の時間がすっかり自分のものになるんだ!
そうなったら、おれは一分一分をまる百年のように大事
にして、その一分一分をいちいち計算して、もう何ひと
つ失わないようにする。
いや、どんな物だってむだに費やしやしないだろうに!」

「白痴」では、もし死ななかったら、一分一分を百年の
ように大事にしようと思った男は、多くの時間を空費し
てその後の人生を過ごしたと語られている。


panse280
posted at 19:58

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字