2005年01月12日
運命の出逢い
<特権的瞬間>
「私が偶然ある女性と出逢い、烈しい情動を味わう
と、その瞬間が日常的な時間の系列から脱け出て、
その系列のうちには場所をもたない瞬間、特権的な
瞬間となる。
そのときわれわれは本来的時間性に引き戻され、た
だくるであろう可能性をぼんやり期待するのではな
く、この人とこれからずっといっしょに生きてゆき
たいと、いわば自己を能動的に将来へ向けて企投す
るにちがいない。
そのとき、過ぎ去ったものとして忘却され、時折そ
の忘却のなかから思い出されるだけだった自分の過
去の体験が、採り上げ直され(反復され)、すべて
がこの特権的瞬間を目指して進行してきたかのよう
に意味を与え直され再構造化される。
そうすることによって、この偶然の出逢いが必然に
転じ、運命と感じられるようになる。」
もってまわったハイデガー風の言い回しで、長々と
書いてあるが、つまりはこうである。
ある女性と逢い、恋をした、その時、いままで見て
いた風景が全く違って見えたのである。
誰でも恋の瞬間は詩人である。そして詩人の判断は
絶対なのである。運命なのである。
「私が偶然ある女性と出逢い、烈しい情動を味わう
と、その瞬間が日常的な時間の系列から脱け出て、
その系列のうちには場所をもたない瞬間、特権的な
瞬間となる。
そのときわれわれは本来的時間性に引き戻され、た
だくるであろう可能性をぼんやり期待するのではな
く、この人とこれからずっといっしょに生きてゆき
たいと、いわば自己を能動的に将来へ向けて企投す
るにちがいない。
そのとき、過ぎ去ったものとして忘却され、時折そ
の忘却のなかから思い出されるだけだった自分の過
去の体験が、採り上げ直され(反復され)、すべて
がこの特権的瞬間を目指して進行してきたかのよう
に意味を与え直され再構造化される。
そうすることによって、この偶然の出逢いが必然に
転じ、運命と感じられるようになる。」
もってまわったハイデガー風の言い回しで、長々と
書いてあるが、つまりはこうである。
ある女性と逢い、恋をした、その時、いままで見て
いた風景が全く違って見えたのである。
誰でも恋の瞬間は詩人である。そして詩人の判断は
絶対なのである。運命なのである。