2005年01月04日

信ずることと知ること

小林秀雄1902-1983
hideo kobayashi

「信ずることと知ること」

本当の知識人とは、己の頭脳で理解できな
いことを否定しない人である。


考えるヒント 3

<柳田国男の感受性>
柳田国男さんの「故郷七十年」に、十四の
時の経験が書いてある。それは、石で作った
小さな祠(ほこら)で、死んだおばあさんを
祀ってあるという。子供心にその祠の中が見
たくてしかたがなかった。ある日、扉を開け
てみると、握り拳くらいの蝋石(ろうせき)
が納まっていた。その時、不思議な、実に
奇妙な感じに襲われたというのです。
そして、ふっと見上げた空に数十の星がきら
めくのが見えたと言う。昼間である。その時
鵯(ひよどり)がピイッと鳴いた。その声で
はっと、我に返った。
もしも、鵯が鳴かなかったら、私は発狂して
いただろう。
「私は、それを読んだ時、感動しました。柳
田さんという人が分かったという風に感じま
した。鵯が鳴かなかったら発狂したであろう
というような、そういう柳田さんの感受性が、
その学問のうちで大きな役割を果たしている
事を感じたのです。」


panse280
posted at 09:21

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