2004年12月29日

早熟な若者へ

吉川英治1892-1962
eiji yoshikawa

「三国志」1938

<一冊の百科事典>
母(だったと思う)から買ってもらった一冊の百科
事典、それを50回も読んだ。それが、小学校中退の
吉川氏の教養の全てであった。

三国志〈1〉

<魂をゆさぶる、ということ>
文学者から無視され続けた吉川氏だが、国民から
は愛された。
今東光(1898-1977)や柴田 錬三郎(1917-1978)
から酷評されていた吉川氏が彼らよりも年長とは
思ってもみなかった。明治25年生まれである。
大山倍達(「国際空手道連盟極真会館」創始者)は
吉川英治「宮本武蔵」に心酔したことで有名である。

<早熟な若者へ>
人徳とはなにか、友情とは、天才とは・・
「三国志」の読後感は実に晴れやかである。
吉川文学の行間には、真っ正直で純粋な精神が躍動
している。そして、それこそが多くの若者の魂を揺
さぶるのだろう。
早熟の若者は吉川文学を軽く見てしまうことだろう。
しかし、そのうちに思い知るのだ。知識ではどうし
ようもない力を。

<文学の本意>
「三国志」と「宮本武蔵」は吉川文学の双璧である。
三国志を書く人は数知れないが、吉川「三国志」ほ
ど人間の優しさを描がけている作品にはまだおめに
かかっていない。


panse280
posted at 11:02

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